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アクセス

所在地 茨城県日立市茂宮町841
電車 JR常磐線「大みか駅」、「東海駅」よりタクシーで20分
バス 日立電鉄路線バス「聖麗メモリアル病院」、「茂宮」
常磐自動車道「日立南太田IC」から車で5分
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代表的な疾患と
その治療について

脳梗塞に対する血栓回収療法

主幹動脈(脳の太い血管)が詰まった場合には、生命にかかわるような重症脳梗塞を来す可能性があります。早期に詰まった血栓を回収することで、脳梗塞の予後を改善させる有効な治療法です。

脳主幹動脈閉塞症による脳梗塞とは

  • 脳の主要な太い血管が閉塞することによっておこる脳梗塞です。
  • 主な症状は、手足の麻痺、しびれ、言語障害、意識障害などです。
  • 太い血管が閉塞したことによる脳梗塞のため症状は進行し、重症脳梗塞に進展する可能性があり死亡率も高い(15%-50%)病気です。
  • rt-PA(アルテプラーゼ)による血栓溶解療法を優先させますが、太い血管につまった大きな血栓は溶けないことが多いことが分かってきました。
方法

カテーテルという細い管を頭の血管にいれて血栓を取り除く血栓回収療法を行います。

ステント型血栓回収デバイスで血栓を回収
効果

最近の大規模な研究(HRRMES study)の結果を以下に提示いたします。rt-PAを使用した場合と比較して、社会復帰率(mRS0-1)が14%増加し、自宅復帰率(mRS0-2)が20%増加することが証明されました。血栓回収療法を行った人の46%の人が自宅復帰(家庭内自立)していますが、rt-PAのみの場合は26%でした。血栓回収療法を行った人の死亡率は15%(rt-PAのみの方は19%)でした。当院では年間30件程度の治療を行っており、再開通率(TICI Ⅱb以上)は90%以上で約40%の方が自宅退院しています。

復帰率

その後の研究では、患者さんによっては脳梗塞を発症して24時間近くたってしまっても血栓回収療法が有効な場合が報告され、治療適応は拡大しています。

代表症例
代表症例
治療後 MRI

治療後 MRI

早期治療が成功したため、後遺症なく2週間後に自宅退院し、職場復帰されました。

頸動脈狭窄症に対するステント留置術

 動脈硬化が進行し、頸動脈にプラーク(粥腫)がたまると頸動脈が狭窄(細くなる)し、脳梗塞を引き起こす原因となります。脳梗塞の予防あるいは再発予防のために頸動脈ステント留置術が行われます。
 方法は、まず鼠径部や手首の動脈からカテーテルという管を入れ頚動脈まで誘導します。そのカテーテルの中から狭窄部分をバルーン(風船のようなデバイス)で拡張し、ステントという金属性の網目状の筒を留置する治療です。血管を拡げる時に血栓が飛ぶ可能性があるため、遠位塞栓防止デバイス(フィルターとよばれる網状のデバイスやバルーンによる血流遮断するデバイス)を用いて治療を行います。治療時間は30分程度で終了し、3泊4日で退院可能な治療法です。

☆糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病をお持ちの方は、脳ドック等での頚部MRAや頸動脈エコーにて早期発見することをおすすめします。大多数の方は、内科的治療のみで対応が可能な疾患です。

ステント留置術
代表症例
代表症例

頭蓋内動脈狭窄症に対する血管拡張術(+ステント留置)

 動脈硬化によって脳内の血管の壁が内側に厚くなって、血液の通り道が狭くなる病気です。病気が進むと、脳に送られる血液が足りなくなります。また、プラーク(粥腫)が破裂すると、血栓が形成され、それらが流れ脳の細い血管が詰まってしまいます。日本を含むアジア人に多く、脳梗塞の原因として非常に重要です。 カテーテルで血管を広げる血管形成術以外には有効な治療法がありませんが、合併症リスクも懸念されることから、薬物治療のみで経過をみられている場合が多いのが現状です。 脳血管内治療センターではこれまで数多くの治療経験があります。狭窄部を血管拡張用のバルーン(風船のようなデバイス)で拡張し、必要に応じてステント(金属製の血管内腔を保持する器材)を留置します。

代表症例 1 血管拡張術
代表症例
代表症例 2 血管拡張+ステント(wingspan)留置術
代表症例

脳動脈瘤に対するコイル塞栓術

 脳動脈瘤は脳の大事な血管の一部が膨らんできたものです。膨らみが大きくなると、壁が薄くなり血圧に耐えられなくなると破裂してくも膜下出血を起こします。いったんくも膜下出血が起こると、約半数の方が亡くなり、残りのさらに半数の方は後遺症を残します。未破裂の脳動脈瘤が破裂し、くも膜下出血になる確率は、年間0.5%~2%といわれています。この確率で考えますと、10年後には5%~20%、20年後には10%~40%の方が破裂することになります。
 未破裂脳動脈瘤の場合の問題は、実際にくも膜下出血をおこす方が多いわけではないにも関わらず、いつどこで破裂するかが予測困難であることです。そして、万が一破裂した場合にはくも膜下出血を来し、社会復帰が困難となるばかりか生命の危険を来します。
 治療法としては、現時点では有効な薬はないため、開頭クリッピング術や血管内治療(脳動脈瘤コイル塞栓術)が行われます。従来より行われてきた開頭クリッピング術は根治性という点では血管内治療よりも確実ですが、頭皮を切開することによる創部痛、脳や血管を直接触れることによる脳損傷リスクがあります。血管内治療(コイル塞栓術)では、頭をあける必要がなく、脳に触れることなく治療ができますので、肉体的負担が少なく高齢者や全身合併症の多い方にも有用です。
 当院では、開頭クリッピング術と血管内治療(コイル塞栓術)の長所と短所を詳細に検討し、患者さんごとに適した治療法を提示した上で、最終的には患者さんのご要望を優先させて方針を決定しております。

方法

 マイクロカテーテルを脳動脈瘤内まで挿入し、プラチナ製の細い糸(コイル)を用いて脳動脈瘤内を詰めてしまう方法です。動脈瘤内が完全に詰まり、血流が入らなくすることにより破裂を防ぎます。症例によりバルーンやステントを使用して治療することもあります。
 治療時間は2時間程度で、未破裂脳動脈瘤の場合は4泊5日で退院可能です。開頭術と異なり傷ができず、負担が少ない治療ですので未破裂脳動脈瘤の場合、退院後早期の職場復帰が可能です。

方法
代表症例① 破裂内頚動脈瘤
代表症例
代表症例② 未破裂脳底動脈-上小脳動脈分岐部脳動脈瘤
代表症例

硬膜動静脈瘻に対する塞栓術

 硬膜とは脳を覆っている固い膜のことですが、その硬膜上で動脈と静脈(あるいは静脈洞)が毛細血管を介さずに直接つながった状態を硬膜動静脈瘻といいます。静脈内に動脈血が流れ込むため静脈圧が上昇し、脳出血やくも膜下出血を来すことがあります。また、病変の部位によっては、拍動性耳鳴り、てんかん発作、眼球充血・突出などの多彩な症状をおこす病気です。
 治療は脳血管内治療が第一選択となります。流入する動脈を液体塞栓物質で塞栓することにより動静脈瘻を閉塞させる経動脈的塞栓術と、流出する静脈側をコイルで塞栓することにより逆流を止める経静脈的塞栓術があります。当院では、Onyx(オニキス)、NBCA(ヒストアクリル)、Eudragit-E(オイドラギット)などの液体塞栓物質やプラチナコイルなどを使用して血管内治療を行うことが可能です。

代表症例① 硬膜動静脈瘻 経動脈的塞栓術(Onyx使用)
代表症例
代表症例② 硬膜動静脈瘻 経静脈的塞栓術 (Coil使用)
代表症例

脳動静脈奇形に対する塞栓術

 脳動静脈奇形は生まれつきの血管の病気と考えられており、脳の中で動脈と静脈が脳組織を通らずに直接つながった構造をしています。ナイダスと呼ばれる異常に拡張した血管のかたまりと、それに付随する拡張した動脈および静脈を認めます。血管が破れて脳出血やくも膜下出血を生じたり、てんかん発作を来すことがあります。
 患者さんごとに病状、病態が異なり難易度の高い治療となりますので、開頭による摘出術、放射線治療、血管内治療による塞栓術を組み合わせて行います。血管内治療では、カテーテルを病変近くまで進め、脳動静脈奇形を詰めてしまいます。当院では、Onyx(オニキス)、NBCA(ヒストアクリル)、Eudragit-E(オイドラギット)などの液体塞栓物質やプラチナコイルなどを使用して血管内治療を行うことが可能です。

代表症例 脳動静脈奇形 術前塞栓術(Onyx使用)
代表症例

脳腫瘍に対する栄養血管塞栓術

 脳腫瘍の治療法はその腫瘍の性質により異なります。良性腫瘍は腫瘍の圧迫による症状がある場合や、将来的に症状がでる可能性がある場合に手術の適応となります。悪性腫瘍は症状が悪化しない範囲で可能な限り摘出した後に、化学療法・放射線治療などを組み合わせた治療を行います。
 脳腫瘍の中には血管が豊富にあり手術中に大量の出血をきたす症例があります。このような場合に、手術前に栄養動脈および脳腫瘍内部の血管を閉塞させることによって、術中の出血量を減らすことが可能となります。主に外頚動脈から栄養されている髄膜腫が対象になります。
 当院では、Embosphere(エンボスフィア)、NBCA(ヒストアクリル)、Eudragit-E(オイドラギット)などの液体塞栓物質やプラチナコイルなどを使用して血管内治療を行うことが可能です。

代表症例 脳腫瘍(髄膜腫)術前塞栓術
代表症例

鎖骨下動脈閉塞(狭窄)症、椎骨動脈起始部狭窄症に対するステント留置術

 鎖骨下動脈閉塞(狭窄)症に対するステント留置術の適応は、患側上肢の運動に伴った脳幹虚血症状(鎖骨下動脈盗血症候群)や上肢自体の虚血症状が代表的です。また、両上肢の血圧差が20mmHg以上あるような無症候性病変も治療適応とされることがあります。
 椎骨動脈起始部狭窄症に対するステント留置術の適応は、めまいなどの臨床症状に加えて、対側椎骨動脈の狭窄や低形成などを認め、椎骨脳底動脈領域の血流低下が疑われる場合に考慮されます。また、高度狭窄で血栓形成の可能性があるときにも適応とされる場合があります。

代表症例 左鎖骨下動脈閉塞症
代表症例
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